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デジタル信号方式の防犯カメラは、イメージセンサーやDPSチップを経由してデジタル信号化した映像を、対応の専用DVRやモニターへ伝送します。 配線距離によって画質の劣化が起こらない一方、100m以上の長距離配線を行う時には中継機器が必要な場合があります。 また、同軸ケーブルを使用して配線を行うHD-SDI/EX-SDI 防犯カメラと、LANケーブルを使用するネットワークカメラ(IPカメラ)の2種類に分かれます。 HD-SDI 防犯カメラは最大解像度2MP※(1080p)、EX-SDI 防犯カメラは最大解像度4MPに対応、ネットワークカメラ(IPカメラ)は最大解像度4K(8MP)まで対応しています。 ※MP=メガピクセル |
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アナログ信号方式の防犯カメラは、デジタル映像を一旦アナログ信号に変換して伝送を行い、受信側の録画装置で再びデジタル信号に復号を行います。従来のアナログ防犯カメラはCVBS信号が主流でしたが、より高解像度の映像に対応した信号形式(AHD/HD-TVI/HD-CVI)がリリースされています。 CVBS対応防犯カメラは最大解像度960H(960×480)まで対応していましたが、アナログハイビジョン規格となるAHD対応防犯カメラ/HD-TVI対応防犯カメラ/HD-CVI対応防犯カメラは、現在最大解像度4K(8MP)まで対応しています。 既設のケーブルを活用することが可能で長距離配線にも向いていますが、一方で配線距離に従って映像信号が減衰※し、画質が低下するという特性があります。 ※映像信号の減衰による画質低下はありますが、デジタル信号と違い推奨配線距離を越えても、突然映らなくなるという事はありません。 |
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2つの信号方式から防犯カメラを選ぶポイントは、 ①推奨配線距離内であれば、画質が配線距離の影響を受けないデジタル信号方式 ②既設の同軸ケーブルも利用できる。互換性・柔軟性の高いアナログ信号方式 となります。 |
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HD-SDI信号は、主に放送用のデジタルハイビジョン映像を伝送するために採用され、解像度ごとにSMPTE
292Mなど国際規格が定められた標準的な信号方式です。HD-SDI方式を採用した防犯カメラは、非圧縮の映像データを伝送することにより高画質を実現し、遅延のない映像は高解像度でのライブ監視に適しています。 反面、高いデータ転送量により高周波タイプの高価な同軸ケーブルが必要となり、防犯カメラとしては導入コストと配線距離(5C-FBケーブルで最大100m)という点がネックとなります。HD-SDI防犯カメラは解像度720p/1080pと、ごく1部の防犯カメラで1080i出力に対応しています。また、1080p/60fpsの映像出力の3G-SDI対応防犯カメラもあります。 また、HD-SDI 防犯カメラの映像を録画するためにはデジタル信号対応のHD-SDI対応デジタルレコーダーが必要となります。録画装置を介さずモニターにライブ監視映像を映したい場合は、HD-SDI対応HDMIコンバーターを使用します。 |
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EX-SDI信号は韓国のEYENIX社が開発したHD-SDIの拡張規格です。Visually
Lossless
Codecという圧縮技術で、見た目には分からないレベルの圧縮をほぼリアルタイムに行い、HD-SDI 防犯カメラの特性である高画質と即時性を損なうことなく最大400mの配線距離(5C-FB)を実現しました。対応解像度は4MP、さらに最近では4K(8MP)に対応した高解像度のEX-SDI 防犯カメラも登場しています。 しかしながら、映像を再生するにはEX-SDI対応デジタルレコーダーなどEX-SDI信号対応の機器が必要となり、HD-SDI 防犯カメラに比べて汎用性はやや劣ります。 |
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2つの信号方式から防犯カメラを選ぶポイントは、 ①HD-SDI:汎用性の高い信号方式で幅広い対応機器を使用できる ②EX-SDI:防犯カメラ用途としては物足りない長距離配線能力と解像度を補うことができる となります。 |
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ネットワークカメラ(IPカメラ)は、監視映像の撮影を行いながら同時に映像データの圧縮を行い、ネットワークを使用して映像データの配信を行います。サーバー機能を搭載し、NVRなど他の装置を使用することなくネットワーク上での遠隔監視を実現しています。対応解像度も、最大4K/30fps出力まで向上しています。 SDカードスロットを内蔵し短期間の録画に対応。長時間録画を行う場合は専用のNVR(ネットワークカメラビデオレコーダー)やONVIF※対応のデジタルビデオレコーダーを接続することができます。 ※ネットワークカメラ・NVRともにONVIFに対応していても、ONVIF Plofileが一致している必要があります。専用NVRと比べた場合、遠隔操作に対応している機能が限定的となります。 また、POE対応機種であれば電源の供給をPOEハブから直接受電することができ、ツイストペアケーブルによる配線となるので配管を通しての施工も同軸ケーブルに比べて比較的簡単に施工することが可能です。 半面、カメラ内でエンコード(映像データの圧縮作業)を行うため完全なリアルタイム監視とはならない点(映像遅延)と、同一LAN内に設置された台数が増えたり、ネットワークカメラからの映像出力が高解像度になるほどトラフィック(ネットワーク内の渋滞による映像の遅延や切断につながります。)が高くなるのがデメリットですが、ネットワークカメラ(IPカメラ)自体の処理能力向上と、これまで主流のH.264からさらに進化を遂げたH.265+圧縮方式を採用したネットワークカメラがリリースされるなど新技術の採用で徐々に改善されてきています。 |
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ネットワーク(IP)カメラを選ぶポイントは、 ①単体でもライブ監視、遠隔監視、録画再生が可能のマルチ機能を実現 ②LANケーブル一本で電源も供給(※要PoE対応)することが出来るので施工費を軽減 することが可能です。 |
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アナログハイビジョン方式は、アナログ信号の伝送方式で従来のコンポジット方式から飛躍的な高解像度の映像を実現しました。720p/1080pという解像度を皮切りに、ここ数年で一気に4K解像度のカメラまでもがリリースされています。 既設の同軸ケーブルと互換性が高く、専用の録画機もコンポジット信号と下位互換性を保っているため、導入コストを抑えて増設することができます。ワンケーブル監視カメラもリリースされており、低コスト・ハイパフォーマンスのシステムを構築することができます。 しかしながらアナログ信号の特性として、長距離配線を可能としながらも配線距離に従って映像信号が減衰し、画質が落ちていくというデメリットがあります。また、複数のベンダーが複数の規格で防犯カメラや録画機を供給しているため、特に高解像度化が進むにつれて、解像度およびフレームレートの相違による互換性の問題が起こりやすくなっています。 |
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HD-TVI信号はアメリカのTechpoint社が開発したアナログハイビジョン技術です。また中国のHIKVISION社が採用している規格として知られています。720p/1080p解像度はもとより、最大4K解像度に対応した防犯カメラがリリースされており、アナログHD分野ではトップクラスの実力を有しています。最大5MP解像度対応のワンケーブル防犯カメラでは、同軸ケーブルにデータを重畳し、防犯カメラの遠隔操作を行うUTC機能も搭載しています。HD-TVI対応防犯カメラのライブ監視や録画再生を行うには、HD-TVI対応デジタルレコーダーやHDMIコンバーターが必要となります。 |
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AHD信号は韓国のNext Chip社が開発したアナログハイビジョン技術です。早くより規格をライセンスフリーとしたことにより、AHD防犯カメラは日本国内でも普及してている信号方式となっています。 AHD信号方式も2MP/5MPのみならず、最大解像度4K対応のカメラがリリースされていますが4K解像度で録画を行う際の性能がまだまだ充分ではないため、録画フレーム数を重要としない限定的なシーンでの利用にとどまっています。AHD対応防犯カメラの映像を録画するにはAHD対応録画装置が必要となりますが、AHD1.0対応の古い録画機は解像度720pのAHD防犯カメラにしか対応していない場合がありますので、防犯カメラの増設・買い替え時には注意が必要です。 |
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HD-CVI信号は中国のDahua社が開発したアナログハイビジョン技術です。この規格は2MPまではライセンスが他社にも供与されていましたが、4MP以上の高解像度カメラおよび録画装置については、現在のところDahua社の製品のみリリースされています。HD-CVI信号方式も、最大4K解像度対応の防犯カメラが発売されています。 |
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アナログハイビジョン信号方式を選ぶポイントは、 ①HD-TVI:より高解像度対応の防犯カメラシステムを導入したい ②AHD:導入コストの削減と既設AHDシステムとの親和性 となりますが、最近ではHD-CVIも含め、複数のアナログHD信号に対応した防犯カメラ、およびデジタルレコーダーが主流となっています。 |
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CVBS(コンポジット映像信号)方式は、カラーテレビの映像方式として長く使われてきました。CVBS対応防犯カメラの解像度は、CIF、4CIFからD1、960Hと進化を遂げ、それにつれて防犯カメラ搭載センサーの総画素数も、27万画素から41万画素、52万画素と次第に向上していきました。 しかしながら公共放送のデジタル化に伴い、CVBS方式は2014年以降シェアを縮小しており、アナログ防犯カメラの分野でもアナログHDへ急速に置き換わっている現状です。 既設のシステムと親和性が高いため、アナログHD対応防犯カメラもCVBS信号に下位互換性を持っている製品が多く、増設・買い替えに当たってはコストを抑制しながらシームレスに高解像度映像へ乗り換えていくことが可能です。また、録画に際してもアナログHD対応デジタルレコーダーがCVBS信号との下位互換性を有しています。 |
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CVBS方式の防犯カメラは依然として稼働中のシステムも多いですが、買い換え、あるいは新規購入にあたっても製品ラインナップが縮小傾向にあり、アナログHD方式やデジタル信号方式のカメラに置き換わっていく方向にあります。 |